畳の劣化サインから購入まで完全ガイド:東京近郊で失敗しない補修・替え選びの秘訣

# 畳の補修・替え・購入ガイド:東京近郊の方へ

## ポイント1:畳の劣化サインを見逃さない

畳がどのような状態になったら補修や交換が必要かを知ることは、長期的なコスト削減につながります。

**よくある劣化の症状**として、まず挙げられるのは表面の色褪せです。新しい畳は深い緑色をしていますが、日光に当たることで徐々に黄色くなり、やがて茶色へと変わります。これは自然な経過であり、見た目の問題が主ですが、色褪せが進むと次のステップへ進みやすくなります。

次に注意したいのが「ささくれ」や「毛羽立ち」です。畳表※1 の表面がざらざらしてきたり、繊維が立ち上がってきたりする症状です。この段階では素足で歩くと引っかかるようになり、転倒の危険性も高まります。

さらに進むと「凹み」や「浮き」が生じます。家具の重みで凹んだり、湿度の変化で畳が浮いてきたりします。特に浮きは見た目だけでなく、つまずきの原因となるため注意が必要です。

東京近郊は湿度が高い地域が多く、畳が痛みやすい環境です。一般的に畳表の寿命は約15~20年とされていますが、環境によっては10年程度で補修が必要になることもあります。定期的に確認することをお勧めします。

## ポイント2:補修・替え・購入の選択肢を理解する

畳のメンテナンスには大きく分けて3つの方法があります。それぞれの特徴を理解することで、最適な選択ができます。

**表替え(おもてがえ)**は、畳の枠(床板)はそのままで、表面の畳表と中身のわら芯※2 を新しいものに交換する方法です。最もコストが抑えられる選択肢で、費用は1枚あたり約8,000~15,000円程度が目安です。畳がまだしっかりしていて、表面だけが傷んでいる場合に最適です。東京近郊の畳屋では、この施工に最も多く対応しています。

**縁替え(へりがえ)**は、畳の側面に縫い付けられた布の部分だけを交換する方法です。表面の傷みがまだ少なく、見た目をリフレッシュしたい場合に有効です。費用は表替えより安く、1枚あたり2,000~5,000円程度です。

**新調(しんちょう)**は、畳全体を新しいものに交換することです。床板を含めて劣化している場合や、現在の畳のサイズを変更したい場合に選択します。費用は最も高く、1枚あたり20,000~40,000円以上になることもあります。しかし、最新の機能性畳(防湿性や防臭性に優れた製品)を選ぶことで、より快適な空間が実現できます。

東京近郊には多くの畳職人がいますが、丁寧な説明をしてくれるお店を選ぶことが大切です。複数の業者に見積もりを取ることをお勧めします。

## ポイント3:畳選びと購入時の重要なポイント

新しい畳を購入・交換する際に知っておくべきポイントをご紹介します。

**材質の選択**が最初の決断です。伝統的な天然いぐさ※3 は香りが良く、耐久性に優れています。一方、化学素材を使った畳表もあり、これらは色褪せが少なく、お手入れが簡単という利点があります。予算と生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。

**厚さの確認**も忘れずに。一般的な畳は約5~6センチの厚さですが、オーダーメイドで厚さを調整することも可能です。

**季節を考慮した依頼**も工夫のひとつです。畳職人は春秋に比較的忙しくなるため、冬場に依頼すると対応が早く、費用交渉がしやすくなる傾向があります。

購入後のメンテナンスも大切です。定期的に掃除機をかけ、時には日干しをすることで寿命を延ばせます。固く絞った布での拭き掃除も効果的です。

東京近郊の気候は年間を通じて比較的温暖ですが、梅雨時期の湿度管理には特に注意が必要です。適切なメンテナンスで、畳の快適さをより長く保ちましょう。

---

**用語注釈:**
※1 畳表:畳の表面を覆う素材で、い草などで作られている
※2 わら芯:畳の中身を構成する素材
※3 い草:畳の表面に使われる植物で、独特の香りが特徴