畳の寿命を見極める3つのサイン|補修vs交換で費用も変わる、プロが教える最適な判断基準

# 畳の補修と替え時期の見極め方

ポイント1:畳の劣化サインを知ることが重要

畳は私たちの生活空間を快適にしてくれる素材ですが、時間とともに確実に劣化していきます。では、いつ補修や交換が必要なのでしょうか。まず大切なのは、劣化のサインを見逃さないことです。

最も一般的な劣化のサインは、畳の表面が色あせてくることです。新しい畳は青々とした緑色をしていますが、日光に当たる環境にあると次第に黄色や茶色に変わっていきます。これ自体は機能に大きな問題はありませんが、美観を気にされる方は早めの対応をおすすめします。

より深刻なサインとしては、畳の表面がボコボコとへこんだり、ふかふかしたりする現象があります。これは畳の内部が湿気を吸収して傷み始めている証拠です。特に梅雨時期や湿度の高い季節に目立つことが多いです。また、畳を踏んだときに違和感を感じたり、カビやダニの臭いがしたりする場合は、すぐに専門家に相談すべき状態です。

さらに、畳の縁(へり※注1)がボロボロになったり、畳の角が欠けたりしている場合も、交換を検討するサインです。こうした場合は補修では対応できず、新しい畳への交換が必要になります。

ポイント2:補修と交換の選択基準を理解する

畳の劣化が見つかった場合、「補修」でよいのか「交換」が必要なのかの判断が大切です。この選択によって費用も大きく変わってきます。

補修でよい場合は、表面の色あせがあっても機能に問題がない、または目立つ傷は少ないという状態です。特に「表替え(おもてがえ)※注2」という補修方法があります。これは、畳の芯(中心部分)はそのままで、上に貼られている表面部分だけを新しいものに張り替える方法です。費用は全体交換よりも安く済みます。東京近郊の相場としては、一畳あたり5,000~10,000円程度が目安となります。

一方、交換が必要な場合は、畳全体が傷んでいる、複数箇所がへこんでいる、または10年以上使用しているという状態です。新しい畳への交換で使用する材質によって費用は変わりますが、東京近郊では一畳あたり10,000~20,000円程度が一般的です。

賢い選択をするためには、複数の業者に見積もりを取ることをおすすめします。専門家の目で実際に畳の状態を診てもらうことで、補修で対応できるのか交換が必要かが明確になります。

ポイント3:畳の購入と業者選びのコツ

新しく畳を購入する際や交換を依頼する際には、業者選びが非常に重要です。東京近郊には多くの畳専門店がありますが、適切な業者を見つけるためのポイントをご紹介します。

まず、信頼できる業者かどうかを判断するには、施工実績や口コミを確認することが大切です。インターネットでの評判だけでなく、可能であれば周囲の知人の紹介を参考にするのも良い方法です。また、見積もり時に詳しく説明してくれるか、疑問に対して丁寧に答えてくれるかという対応も、業者の質を判断する材料になります。

次に、畳の材質についても理解しておくと良いでしょう。天然のい草を使用した伝統的な畳もあれば、化学繊維を使った耐久性が高い畳もあります。防ダニ、防カビ加工されたものなど、様々な選択肢があります。予算と生活スタイルに合わせて、最適な畳を選ぶことが大切です。

東京近郊で畳の補修や購入を検討されている方は、焦らず複数の選択肢を比較してから決断することをおすすめします。専門家の意見を参考にしながら、ご自身の住環境に最も適した選択をしていただきたいと思います。

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**注1:縁(へり)** - 畳の周囲に縫い付けられている布地部分のことです

**注2:表替え(おもてがえ)** - 畳の表面部分のみを新しくする補修方法のことです