東京近郊で畳を長く使うための完全ガイド|補修・交換の時期、費用、業者選びのコツ
# 畳の補修・交換ガイド:東京近郊で長く愛用するために
## ポイント1:畳が傷む原因と適切なメンテナンス時期を知る
畳が傷む主な原因は、日常的な湿度変化と使用による摩耗です。特に東京近郊の気候は梅雨時期に湿度が高くなるため、畳にとっては過酷な環境といえます。
畳の表面は「い草」という天然素材でできており、湿気を吸収しやすい性質があります。湿度が高い時期は膨張し、乾燥する時期は収縮します。このサイクルが繰り返されると、畳の繊維が傷み、色が褪せたり、表面が毛羽立ったりするのです。
**メンテナンス時期の目安**は以下の通りです。日常的には、定期的な掃除機がけと、月に1~2回の乾拭きをおすすめします。畳の表面が黒ずんできたり、歩くとき沈むような感覚を覚えたりしたら、補修のサインです。通常、3~5年で表面の張り替え(「裏返し」※1)、7~10年で完全な交換を検討する時期が来ます。
東京近郊で畳の劣化が進みやすいのは、在来工法の建築物が多く、通気性が現代の住宅より低い傾向にあるからです。古い物件ほど注意が必要です。
## ポイント2:補修・交換の選択肢と費用相場を理解する
畳のメンテナンスには、主に3つの選択肢があります。それぞれの特性と費用を理解することで、最適な判断ができます。
**表替え**は、畳の表面のい草を新しいものに張り替える作業です。芯材(「畳床」※2)は再利用します。費用は1枚あたり5,000~8,000円が相場で、最も経済的な選択肢です。畳の表面が傷んでいるが、骨組みはしっかりしている場合に有効です。
**裏返し**は、畳を裏面に返して使う方法です。表替えより安く、1枚3,000~4,000円程度で済みます。ただし、両面が傷んでいる場合には使えません。
**新調**(完全交換)は、畳全体を新しいものに替える方法で、1枚8,000~15,000円以上になります。芯材が傷んでいる、沈みが著しい、カビが生えているなどの場合に必要です。
東京近郊では、職人不足の影響で工事費が上昇傾向にあります。複数の業者に見積もりを取ることをおすすめします。
## ポイント3:業者選びと購入時のポイント
良質な畳職人を見つけることは、長期的な満足度に直結します。東京近郊には優良業者が多くありますが、選び方にコツがあります。
**業者選びの重要なポイント**は、まず地元で実績が長いことです。口コミサイトやホームページで、施工事例や顧客の声を確認しましょう。また、畳の素材について詳しく説明してくれるかどうかも判断基準になります。良い業者は、一級畳製作技能士などの資格保持者を抱えていることが多いです。
**素材選びについて**、い草の産地は重要です。熊本産や福岡産のい草は品質が高く知られていますが、価格も高めです。予算に応じて、国産と中国産のバランスを検討する選択肢もあります。最近は「琉球畳」など、色合いやサイズが異なるバリエーション製品も注目されています。
見積もり時には、素材の等級、工期、保証期間を明確に確認してください。安さだけで選ぶと、後々トラブルになる可能性があります。東京近郊の気候に合わせた防湿処理の有無も、重要な確認項目です。
購入後は、定期的なメンテナンスが寿命を延ばします。畳専門店から提供されるお手入れガイドに従い、大切に使うことで、10年以上良い状態を保つことができます。
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※1 「裏返し」:畳を裏側に返すことで、新しい面を表に出す補修方法
※2 「畳床」:畳の芯材となる部分。わら床(藁を積み重ねたもの)と建材床(発泡スチロールなど)がある

