東京近郊で畳を15年長持ちさせる!畳職人が教える寿命判定・素材選び・メンテナンスの秘訣

# 畳職人が教える!東京近郊で畳を長く愛用するための実践的なポイント

## ポイント1:畳の寿命を見極めることが補修か交換かの分かれ道

畳の状態を正しく判断することは、無駄な出費を避け、最適なタイミングで対応するために非常に重要です。

一般的に、畳の寿命は使用環境によって異なりますが、5年から15年程度が目安とされています。東京近郊は湿度が高い時期が長いため、全国平均よりも痛みが早く進行する傾向にあります。

**畳の劣化の主な兆候**としては、以下の点が挙げられます。表面が日焼けして色が褪せている、歩くとへこんだままになる、雑巾がけをしても汚れが落ちにくくなるといった状態です。また、ダニやカビの臭いが強くなった場合も要注意です。

この段階であれば、表面の張り替え(表替え※1)で対応できます。費用は1枚あたり5,000円から8,000円程度が相場です。一方、畳の床の部分(床板※2)が反り返ったり、割れたりしている場合は、畳全体の交換が必要になります。この場合の費用は1枚あたり15,000円から25,000円程度になります。

実際に、私がこれまで対応した東京近郊のお客様の多くは、痛みが進行しすぎてから相談されるケースが少なくありません。「もっと早く連絡すればよかった」というお言葉をいただくことも多いです。年に一度は専門家に状態確認をしていただくことをお勧めします。

## ポイント2:東京近郊の気候・環境に適した畳選びが満足度を左右する

新しい畳を選ぶ際、多くの方は外観や価格だけで判断してしまいます。しかし、東京近郊で長く愛用するには、環境に適した素材選びが不可欠です。

**天然素材とビニール素材の選択**が最初の判断点になります。天然素材(い草※3)は湿度調整機能に優れ、独特の香りが心身をリラックスさせることが科学的に証明されています。一方、ビニール素材は耐久性が高く、お手入れが簡単で、アレルギー体質の方に適しています。

東京近郊の夏場は高温多湿になるため、通気性と湿度調整能力が重要です。天然素材の畳は、この点で優れた性能を発揮します。ただし、湿度管理が不十分な環境ではカビやダニが発生しやすくなるため、定期的な風通しが必須になります。

**畳の厚さ選び**も重要な要素です。一般的な厚さは5.5センチですが、床暖房を使用する家庭では厚さ4.5センチの薄いタイプが適しています。東京近郊でも床暖房の導入が増えており、この点を見落とすと後で後悔することになります。

また、色選びも環境適応に関わります。濃い色の畳は落ち着いた雰囲気を作り出しますが、日中の日光で褪色しやすいという特性があります。日当たりの良い部屋を考慮した色選びが、長期的な満足度に直結します。

## ポイント3:日常のお手入れと定期的なメンテナンスが投資を活かす秘訣

畳の寿命は、購入後のお手入れ方法で大きく左右されます。正しい手入れ方法を知ることで、補修や交換の時期を遠ざけることができます。

**日常的なお手入れの基本**は、乾いた雑巾やはたきでの拭き掃除です。週に3回程度、畳の目に沿って軽く拭くだけで十分です。決して濡れた雑巾は使用しないでください。畳が湿気を吸収しすぎると、カビやダニが発生しやすくなります。

東京近郊の湿度の高い季節(特に6月から8月)には、エアコンの除湿機能や除湿機を活用し、室内湿度を50から60%に保つことが理想的です。窓を開けての通気も効果的ですが、花粉が多い時期は避けた方が無難です。

**年に一度の専門的なメンテナンス**も重要です。プロによる洗浄やコーティング処理は、見た目の美しさを保つだけでなく、防ダニ・防カビ効果も期待できます。費用は1枚あたり3,000円から5,000円程度ですが、この投資が畳の寿命を大幅に延ばします。

さらに、家具の配置にも工夫が必要です。同じ場所に重い家具を長期間置くと、その部分だけが著しく痛みます。定期的に家具の位置をずらすことで、全体的に均等に使用することができます。

これらのポイントを実践することで、畳への投資を最大限に活かすことができるのです。

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※1 表替え:畳の表面の織物を新しいものに張り替える作業
※2 床板:畳の下地となる部分で、わらで作られたボードのこと
※3 い草:畳の表面を織る際に使用される植物の茎