い草の色

 畳表に使われているい草は、その色味は産地や品種によってさまざまです。一概によい畳の色味と呼ばれる条件は、色むらが少ない事です。い草は1m50cmほどに成長しますが、そのうちもっとも色味がいいのが真ん中の部分といわれています。い草は長い程、質がいいといわれますが、これはこの色味のいい部分が長いからです。根本の色は淡く黄色みがかっていて、先端も色が薄かったり赤く変色していたりします。この場所によって異なる色味を利用して織られた、市松織と呼ばれる畳表もあります。い草の緑色と根本付近の淡い黄色の部分が数本づつ交互に織られて市松の模様ができるのです。色が淡いのは根本の部分だけですから、中央にいくにしたがって市松の模様は薄れ、普通の畳の色味となります。

 

経年変化による畳の色

 畳は新品のときは青々していますが、年月がたつにつれて黄色へと変色していきます。この変色の度合いは当然、使用状況や部屋の環境によって様々ですが、特に日の当たる部分は早く変色します。そのため家具がおかれて日の当たらない部分は青く残っていたりしますよね。また、い草の部位によっても変色の度合いは異なります。先端や根本の方が早く変わりますので、畳の両端の部分が中央に比べてやや黄色気味になることがあります。畳表の中には、この変色した色をわざわざ取り入れたものもあります。「竜鬢(りゅうびん)」と呼ばれるものがその一つですが、生産工程の中で変色させるので、色むらの無いまさに黄金色の畳表になります。

 

染色と染土

 製造工程で色味に関わるのが、染色と染土です。
染色は色むらを無くし、発色をよくする為に行われるのですが、販売時・納品時の色味はよくても、経年変化によって、2、3年でもとの色むらが表れてきたりします。基本的に弊社で扱う畳に関しては天然の色のものをおすすめしております。
染土は着色を目的としたものではなく、乾燥を早め、い草が本来持っている色を安定させる為のものです。

 

見る方向によって変わる畳の色

 畳の色は見る方向によっても、大きく色味が変わります。
畳の目と平行な方向から見ると明るく、垂直な方向から見るとい草の織の山によって反射が遮られ、暗く見えます。この方向によって異なる見え方を利用したのが、市松敷です。
琉球畳など縁なしの正方形の半畳を方向を90度づつ変えて敷き詰めると、全体に市松の模様が浮かび上がってくるのです。おなじみですよね!

 

カラー畳

実はこんな畳もあるんです!