夫の畳店で一緒に働くこと早2年。そんな妻が初めて熊本行ってみた。というブログ

7月10日(水)東京は晴天。この日私は初めて、い草の生産地である熊本県八代市へ向かいました。

同じ足立ブランドでお世話になっている、株式会社安心堂の丸山有子さん(以下ゆうこさん)と一緒に。

熊本到着!やっぱり最初はくまモンと記念撮影!

安心堂さんは印刷会社です。そこで販売されている「なんでもくん」は、自分でパッド印刷ができる画期的な印刷機です。その「なんでもくん」を使うと、ブランドマークと品質ランクを畳表にきれいに印字できるので、「JAやつしろ」さんが導入することになりました。そこで、ゆうこさんには「なんでもくん」の印刷指導をするというミッションのため、熊本県の「JAやつしろ」さんまで来てもらったということなのです。

普段から仲良くさせていただいてるゆうこさん。ゆうこさん1人でも熊本まで行ってもらえましたが、こんな機会なかなかないため私も一緒に行かせてもらうことになり、初の熊本訪問が叶いました。

先にい草刈りのお手伝いで熊本入りしていた夫に最寄り駅まで向かいに来てもらい、お世話になっているい草農家・吉田さんのお宅へ。

熊本弁で「よく来たね〜」って言ってたww

その日の仕事を終えた吉田さんファミリーが私たちの分も夕飯を用意してくださいました。ご自分の畑でとれた野菜で作った常備菜や具沢山のお味噌汁、そして九州特有の少し甘いお醤油味。どれを食べても美味しくて、この日は移動だけだったのにいっぱいご馳走になってしまいました!

次の日は朝4時起きのため、夜は早く就寝。「働かざる者食うべからず」美味しいご飯のお礼はキチンと果たします!!

と、意気込んで寝坊することなく朝4時に起床。やる気だけはある格好で田んぼへ行くと…まだ夜が明けきらない薄暗い中、時折ザーっと雨が強く降る田んぼの中に刈取り機のヘッドライトが浮かび、すでに作業は始まっていました。

薄暗い田んぼにぽわ〜と浮かぶライトが幻想的でした。

簡単な気持ちでお手伝いさせてくださいとは言えないほど、い草の扱い方、作業工程の多さ、その1つ1つに無駄のない動き、い草農家の仕事を目の当たりにして、それをただただ見てるしかなかった私たち。まだ夜明け前の暗い中、家族連携プレーで淡々と黙々と粛々と農作業が続いていく。それが特別ではなく日常ということ。寝坊しないで起きれたぞ!なんて当たり前のこと。手伝う気満々ですと言っていた自分が恥ずかしくなり、なんておこがましいことを言っていたんだと反省。そして、その吉田さん家族の中に入って、親戚の人?熊本の人?と見間違うほどに馴染んで農作業をしていた夫。熊本に行くようになってから今年で6年目。毎年毎年、吉田さんの仕事をよーく観察し、少しづつできる作業を増やして信頼関係を作ってきたからこそ、ここまで馴染んで言われずとも作業ができているのだなと思うと、夫の努力と吉田さんの懐の深さに、私1人ひっそり感動していました。

明るくなってきた田んぼ。刈取り機も夫1人で運転させてもらってます。

早朝の田んぼは冷んやりした空気

泥染め作業中の吉田さん

刈り取ったい草を泥染めします。

何もお手伝いできなかった〜!悔しい!でも早起きしてい草の刈取りを間近で見ることができて本当に良かった〜!!

朝の作業は何の役にも立たなかった私たちでしたが、美味しい朝ごはんをたらふくいただき力をつけて、いよいよ今回の熊本訪問の目的である印刷指導へ向かいます!と言ってもゆうこさんが指導するので、付き添いの私は精一杯準備や後片付けで動くしかありません。

「JAやつしろ」さんへ着くと、担当の谷川さんとしばし談笑。その中でも谷川さんの「農家さんを守りたい」という想いに感動しました。ゆうこさんは、その一端を担うプレッシャーを感じつつもやってやるぜ!と気合十分。農家の吉田さんもJAの谷川さんもゆうこさんとの出会いで「なんでもくん」の存在を知ることができ、畳業界が長年抱えてきた【偽装問題】解決への大きな一歩を踏み出せたのだと思います。そんな熊本県八代市と足立区の橋渡しができた夫を、農作業に続きさらに頼もしく見えた気がしました。

やって来ました!JAやつしろ!

JAポーズの私たちに挟まれた谷川さん

JAの職員の方たちは、今までの慣れたやり方からガラリと変わり、新しいことを取り入れるのでとても大変だと思います。最初は不安そうに見ていた方も何度か練習するうちにキレイに印刷できるようになってくると笑顔もチラホラ。

皆さん真剣!ゆうこさんの優しい指導が始まりました。

今までのハンコ。

パッド印刷で畳表にもこんなにキレイに印字できます!すごい!

最後はお馴染み、驚異のパワーインソール・tocotoco(トコトコ)でバランステスト!皆さん笑顔になっていただきました。

tocotocoの上ではしっかりバランス取れてますね〜!

おっとっと〜!tocotocoがないとこの通り!

印刷指導を終えた後は、今度こそ役に立ちたい、い草刈りのお手伝いです!

早朝とは違って晴れた田んぼでは、い草の緑がとても綺麗で、向こうに見える山、見渡す限りの空、もう深呼吸せずにはいられない!!と、作業前にしっかり八代の空気を吸い込み、気合も入ったところで作業に取り掛かりました。

空が高くて青い!空気がとっても美味しかったです!

成長したい草が倒れないようにかけてある網を外すお手伝いをさせてもらいました。ゆうこさんは吉田さんと一緒にい草から網を外し、私は網が結んである杭から結び目を外して田んぼから杭を抜いていきます。

い草を傷つけないように網を揺らしながら外していきます。

田んぼの奥深くまで刺さった杭をクイクイっと外していきます!

吉田さんの奥様から可愛い花柄のアームカバーと手袋をお借りしたのですが、田んぼの中は雨上がりということもあり蒸し暑く、しかもゆうことあっこの晴れ女パワーで日差しもどんどん強くなってきたので、アームカバーを外しTシャツの袖をまくって働きました。

刈り取ったい草をトラックに積んでいきます。ゆうことたかし

まだまだ積み込みます!あっことたかし

作業場へ戻るとすぐにい草を泥染めしていきます。回転している台にい草の束を丁寧に置いていき、向こう側にいる人が泥染めされたい草を取り出し、まっすぐ立つように置いていきます。この作業はコツがいるらしく、水分を含んで重くなったい草をまっすぐ立たせることがとても難しいとか。。その作業を吉田さんの計らいで、夫婦でやらせていただきました。

畳屋ではなく、い草農家に嫁いでいたらこんな感じだったのかなと思いながら、大事ない草を傷つけないように泥染め作業を終えて、夕方の作業は終了。今年はい草の収穫量が多く、全部刈り取るまであと数日はかかるとのこと。刈り取った後も畳表になるまでにはいくつもの工程が待っています。本当に大変なお仕事です。

仕事の合間にさゆりさんとゆうこさんと私で女子トーク(´∀`) ご飯の時は吉田さんとさゆりさんの馴れ初めなんかも聞いちゃったりして(≧∀≦)  いつもと違う雰囲気に、さゆりさん少し気分転換できたかな〜できてたら嬉しいなと思いつつ、熊本での2泊3日はあっという間に過ぎてしまいました。

さゆりさんにい草のすぐり方を教わってます。(短いい草を落として長いのだけを束にする)

左から、私・さゆりさん・ゆうこさん

また来てねと言ってくれた吉田さん。私たちお手伝いできていたのでしょうか?でも、来年はもっとできるようになりたいと正直、思っています。ゆうこさん、印刷屋さんですけど、また来年も一緒に行くと思います。いや必ず行くでしょう!

吉田家は本当に仲が良い!素敵なご家族でした。

最後まとまらないブログになってしまいましたが、八代に来て本当に良かったと思っています。夫が前から一度熊本に来て欲しいと言っていた意味もやっと分かりました。最初は、熊本県のい草農家さんは畳屋さんたちが行くべきでしょ。私には関係ないでしょ。行ったところで何もできないし。と本気で思っていました。夫からの誘いもこのように断っていました。しかし、実際来てみると、全然違いました。行ったところで何も出来なかったかもしれないけど、体を動かさずにはいられない。どうにか吉田家の役に立ちたい。という思いと、一面光り輝く美しいい草を見て、こんなにキレイない草で作られた畳の上で生活していたのかと、心揺さぶられました。私はこの2泊3日で熊本が大好きになりました。い草が大好きになりました。農家さんへの思いが以前と比べものにならないほど深くなりました。吉田家の皆さんへ感謝の気持ちも…。そして、なりたくてなったわけじゃないもん!とイマイチ本気で取り組めなかった畳屋の仕事。その仕事に対してとずっと頑張ってきた夫に対しての自分の姿勢を見直すいい機会になりました。い草のこと、畳のこと、い草農家さんのこと、もっとたくさんの人に知ってもらいたい。あ…やっと私、畳屋の妻になれた気がします。

何時間でも田んぼに居たい…

熊本に来る機会を作ってくれてありがとう!これからもよろしく頼みます!

「百聞は一見に如かず」

一言でまとめるとそんな熊本訪問でした。

 

アマガエルってこんなに可愛かったっけ?

 

 

 

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